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Q1-1 |
石けん、洗剤、洗浄剤など、いろいろな言葉が使われていますが、何を意味しますか。また、使い分けをされているのですか。 |
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法律の定義、日常生活で使われる言葉のふた通りがあります。
まず、法律ですが、洗濯用、台所用、住宅家具用洗剤などが適用される法律には家庭用品品質表示法があります。ここでの定義は「主に界面活性作用で汚れを落とすもの」で、使われている界面活性剤の種類により次の様に分類されています。
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石けん: |
純石けん*以外の界面活性剤を含有しないもの。すなわち界面活性剤
が純石けんのみのもの。 |
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複合石けん: |
全界面活性剤中の純石けん以外の界面活性剤が、洗濯用では30%以下、台所用では40%以下のもの。 |
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合成洗剤: |
全界面活性剤中の純石けん以外の界面活性剤が、洗濯用では30%を超え、台所用では40%を超えるもの。 |
*純石けん:脂肪酸塩の構造
さらに、「主に酸、アルカリの化学作用で汚れをおとすもの」を「洗浄剤」と呼ぶことになっています。
一方、一般的には石けん、洗剤、洗浄剤などの言葉は、慣用的に使用されており明確な区分はされていません。
「洗剤」という言葉は、「身体以外の物質、すなわち、繊維、食器、調理器具、住居や家具などの汚れを落とす剤」に使われます。すなわち、家庭用品品質表示法で言う石けん、複合石けん、合成洗剤を含んだ意味で使われます。
また、「身体の汚れを落とす化粧石けん(浴用石けん、洗顔石けん)、ボディソープ、シャンプーなど」には「洗剤」という言葉は使われないようです。
なお、石けんについては、界面活性剤の種類で脂肪酸塩を示す時にも使われている場合があります。
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Q1-2 |
洗剤の安全性は問題ないのでしょうか。また、安全性の評価ではどのような項目が評価されていますか。 |
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製品に表示されている使用量・使用方法では、洗剤類の安全性は問題ありません。これは、国や地方自治体の研究機関、諸外国、OECD(経済協力開発機構)においても同様に問題の無いことが確認されています。
世の中には、天然の物質を含め「絶対に安全な物質、100%安全な物質」はありません。例えば、食塩、砂糖、お酒でも多量に摂取すると中毒症状を引き起こしたり、時には死亡する場合もあります。それぞれの物質には安全に使用できる量があります。
安全性は、常にその物質が実際に使用される現実の場における使用条件で評価されます。
洗剤も現実の使用条件で総合的に評価されています。実際には
(1)通常使用時、(2)誤摂取・誤使用の両面から、洗剤の主成分である界面活性剤について下表のような項目の評価が行なわれています。
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場 面 |
潜在的危険性 |
評 価 項 目 |
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通常使用時 |
慢性毒性 |
長期毒性試験
吸収・分布・代謝・排泄試験 |
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発ガン性 |
発ガン性、発ガン補助性
変異原性試験 |
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子孫への影響 |
催奇形性試験
繁殖(多世代)試験 |
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皮膚への影響 |
皮膚一次刺激性試験
皮膚感作性(アレルギー)試験 |
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誤摂取・誤使用 |
急性作用 |
短期毒性試験
眼刺激性試験 |
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Q1-3 |
洗剤の安全性について公的機関で確認されているでしょうか。 |
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国は「合成洗剤の安全性については、内外で行なわれた急性毒性、慢性毒性に関する試験の結果、使用実態に基づき総合的に評価し、安全性に問題ない」との見解を示しています。また、地方自治体も同様な見解を示しています。
国及び各地の地方行政機関により下表のような安全性の確認が行われています。
国による安全性確認研究
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年 月 |
研究機関 |
| 1965年 7月 |
科学技術庁 |
| 中性洗剤特別研究報告(総論)(科学技術庁研究調整局) |
| 1978年10月 |
科学技術庁 |
| 合成洗剤に関する研究成果報告書(科学技術庁研究調整局) |
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1983年 5月 |
厚生省
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| 洗剤の毒性とその評価(吉田克己ら:厚生省環境衛生局食品化学課編) |
地方自治体による安全性確認
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年 月 |
研究機関 |
| 1980年 7月 |
東京都衛生局 |
| アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの毒性に関する研究 |
| 1980年11月 |
神奈川県衛生部 |
| 合成洗剤安全性試験中間報告(11月29日) |
| 1980年12月 |
大阪府衛生部 |
| 中性洗剤小委員会審議結果(12月5日) |
| 1981年 7月 |
神奈川県衛生部 |
| 合成洗剤毒性試験中間報告 |
| 1982年 8月 |
神奈川県衛生部 |
| 合成洗剤毒性試験結果(8月4日) |
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1983年 |
横浜市、川崎市、札幌市 |
横浜市:合成洗剤の安全性及び環境に及ぼす影響(報告)(4月)
川崎市:合成洗剤問題への川崎市の対応指針(4月30日)
札幌市:合成洗剤に関する調査検討報告(12月21日) |
国際機関による安全性確認
年 月 |
研究機関 |
| 2005年 4月 |
OECD(経済協力開発機構)
LASのヒト健康と環境影響調査 |
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Q1-4 |
洗剤の毒性はどの程度ですか。 |
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Q1−3で示したように、製品に表示されている使用量・使用方法では、心配いらない程度です。
毒性については一般に急性毒性と慢性毒性が検討されます。急性毒性とは、例えば、洗剤を誤って飲んでしまった場合に、人体に対してどのくらい毒性があるかを意味し、一般にLD50値(体重1kgあたりの半数致死量)として表されます。合成洗剤を含む一般家庭用品の急性毒性試験値は次の通りで、食塩・ふくらし粉と同程度か、それ以下の毒性です。
| 試料 |
LD50値
(g/kg) |
動物 |
毒性の程度
(Sunberによる毒性区分より) |
| 石けん |
10 |
ラット |
5実際無毒性 |
| 合成洗剤(衣料用) |
4-7 |
ラット |
4軽度毒性 |
| 合成洗剤(台所用) |
6-10 |
ラット |
5実際無毒性 |
| 食塩 |
3.75 |
ラット |
4軽度毒性 |
| ふくらし粉 |
3-4 |
ラット |
4軽度毒性 |
慢性毒性とは、長期にわたり通常使用した場合の、人体に対する毒性を意味し、動物投与実験による最大無影響量が指標とされます。アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)の場合は、300mg/kg/日と言われています。ヒトの最大摂取量は最大無影響量よりもはるかに微量の0.29mg/kg/日と推定されるので、心配ありません。 |
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Q1-5 |
食器や野菜、果物を洗剤で洗っても問題ありませんか。どの程度すすげば良いでしょうか。 |
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食器や野菜を台所用洗剤で洗った場合、残留する洗剤の量は非常に少なく、全て口に入ったとしても、人体への影響はありません。すすぎの程度は野菜・くだものの場合流水で30秒以上、食器の場合は5秒以上と食品衛生法で決められています。 |
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Q1-6 |
台所用の洗剤で手が荒れる人もいると聞いたのですが、本当ですか。 |
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正常な皮膚は皮脂膜という天然のクリームで覆われています。これが食器洗い等の水仕事によって失われると角質層がむき出しになり、手荒れをおこしやすくなります。合成洗剤で手が荒れる人もいますが、石けんやお湯だけでも手荒れする人はいます。手荒れしやすい人は炊事用手袋を着用してください。また、水仕事のあと、ハンドクリームをつけて油分を補っておくことが、みずみずしい手を守る秘訣です。 |
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Q1-7 |
洗剤の安全性に疑問を呈する実験が示される場合がありますが、これらはどういう意味ですか。 |
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通常の使用条件で、洗剤の安全性は問題ありません。
安全性の問題は、常にそれが実際に使用される現実の場における使用条件をはっきりさせておく必要があります。この前提条件を無視すれば、ほとんどすべてのものが、使う量によっては私たちの身体に害を与える可能性があります。コップ1杯の塩を一度にとれば命にかかわるのと同様に、無条件・無制限に100%安全なものがあるのではなく、安全に使用できる量があり、すべてのものには正しい使い方が求められているのです。これまでに洗剤の安全性に疑問が出される場合には、決まって現実には起こり得ない条件下での実験結果をそのまま都合のいい結論に導いていこうとする傾向がありました。
たとえば、「金魚鉢に洗剤液を入れると死ぬので、洗剤の人体への毒性も強いのではないか」と主張する人がいます。これは、洗剤の界面活性剤が金魚のエラに吸着して、水中での酸素呼吸ができなくなるためであり、ヒトや哺乳動物とは根本的に呼吸の仕方が異なるため、直接比較はできません。実際の河川や湖の中では、界面活性剤の濃度は低く、魚への影響はありません。
また、「小松菜やかいわれ大根が洗剤液では発芽しないのは、洗剤の毒性のため」という人もいますが、これも人間に対する毒性とは関係がありません。実際は、食塩水、ビール、紅茶、清涼飲料水などでも発芽しません。
→「小松菜の発芽試験」pdfファイル
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Q1-8 |
蛍光増白剤に発がん性があると聞きましたが、本当に安全ですか。乳幼児の衣類や包帯・ガーゼ類に使用されないのは何故ですか。 |
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多くの研究結果とOECDの安全確認により、発がん性がないことが確認されています。乳幼児用の衣類への蛍光増白加工は出来る限り避けるようにとの通達が出ているのは、蛍光増白剤の安全性に問題があるのではなくて、衣類を白くする必要性がないと考えられているためです。また包帯・ガーゼなどの衛生材料では衛生面から再生繊維の混入を防ぐことが必要です。再生繊維からは蛍光増白剤が検出されることが多いので、薬事法では、蛍光物質の規制を行なうことで再生繊維の混入を防いでいます。
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Q1-9 |
水道水に洗剤成分が微量に含まれていることがあると聞きましたが、心配は無いのですか。 |
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心配ありません。
WHO(世界保健機構)の水道水のガイドラインでは洗剤の主成分である陰イオンや非イオン界面活性剤は人への健康に影響ないとして、1992年に規制を撤廃しています。
日本では、水道法の水質基準により陰イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤も濃度が規制されていますが、この規制値を越えることころは全く有りません。
なおこの規制は、泡立ちを防止する理由による規制であり、安全性から定められた値ではありません。
アメリカの飲料水水質基準でも日本と同様に発泡性から規制をしています。
参照:厚生労働省の水道水質基準より
陰イオン界面活性剤:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/k39.pdf
非イオン界面活性剤:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/k41.pdf |
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Q1-10 |
石油を原料とする洗剤と動植物油脂を原料とする洗剤では、安全性・環境に対する影響に差がありますか。 |
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原料が石油でも動植物油脂でも、化学構造や含まれている成分が同一であれば、その性質に差は有りません。洗剤の主成分である界面活性剤には、種類により石油から作りやすいもの、動植物油脂から作りやすいもの、また両方から作ることができるものがあります。
原料が何であっても
界面活性剤としての構造がそれぞれの性質を決めるため、原料によって一概に、その安全性や環境に対する影響を論ずることは出来ません。
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