日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2008年6月16日更新
01.*安全・環境Q&A *目次へ 
参照カテゴリ> #03.化学 

*1.洗剤が体に与える
    影響(安全性)

*2.洗剤の環境適合性
*3.シャンプー
*4.柔軟仕上げ剤
*5.漂白剤

Q2-1

河川や湖の水の汚れの原因は、家庭で使用されている洗剤ですか。

Q2-2

水の汚れの指標として使用される、MBAS濃度やBODとはなにですか。

Q2-3

生分解とはどのようなことですか。

Q2-4

下水処理によって、洗剤は除去されているのですか。

Q2-5

下水道のない地域で洗剤を使用しても、河川や湖で自然に分解するのですか。

Q2-6

洗剤は水生生物に影響を及ぼしていますか。

Q2-7

「水槽に石けん水を入れても金魚は死なないが、洗剤液を入れると死ぬのは洗剤の毒性が強いため」という話を聞きましたが本当ですか。

Q2-8

「小松菜やかいわれ大根の種は石けん水を浸した培地では発芽するが、洗剤を浸した培地では発芽しないのは洗剤の毒性のため」という話を聞きましたが本当ですか。

Q2-9

「ゴキブリに洗剤液をかけると死ぬのは、洗剤の毒性のため」という話を聞きましたが本当ですか。

Q2-10

河川や湖で界面活性剤が検出されることがあると聞きましたが、分解しないからではないのですか。

Q2-11

洗剤は家庭用合併処理浄化槽への影響はあるのですか。

Q2-12

日本の洗剤は無リンなのですか。有リン洗剤はどこで使用されていますか。

Q2-13

洗濯用洗剤に使われているアルミノけい酸塩は河川や湖に影響を与えないのですか。

Q2-14

廃油石けんはどのようなものですか。また、どのように考えていますか。



Q2-1

河川や湖の水の汚れの原因は、家庭で使用されている洗剤ですか。

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平均的に見ると、生活雑排水による汚れ物質のうち、洗剤類によるものが約10%、石けんによるものが約5%と推定され、洗剤が主因ではありません。
家庭排水は、し尿とそれ以外の台所、浴室、洗濯などから排出される生活雑排水に分類されます。し尿は未処理のまま水域に放流することが禁止されているため、生活雑排水が河川や湖の汚れの原因になっています。
生活雑排水の排出源別の汚れ量は下図の通りです。

 

環境省、平成13年度環境白書から作成

台所からの排水が55%と多いのは、魚や野菜を洗ったり、食器や調理用具を洗ったり、食べ残し飲み残しを捨てたり、たっぷり有機物を含んでいるからです。台所からの汚れを減らすためには、食器に残る食品カスを紙やへらでふき取れば、食品カスそのものも減らせますし、洗うときの洗剤の量も減らすことも出来ます。食べ残し飲み残しを流しに捨てないよう各家庭で努力することが重要です。

Q2-2

水の汚れの指標として使用される、MBAS濃度やBODとはなにですか。
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MBAS濃度:合成洗剤の主成分である陰イオン界面活性剤は、陽イオン系の色素であるメチレンブルーと反応して複合体を形成します。このような複合体を形成する物質をMBAS(メチレンブルー活性物質)といい、この濃度を測ることにより、水中の陰イオン界面活性剤濃度を測定します。通常、水1リットルLに含まれるMBASのミリグラム数(mg/リットル)で示します。
(注1) MBAS濃度: 合成洗剤の主成分である陰イオン系界面活性剤は、陽イオン系の色素であるメチレンブルーと反応して複合体を形成します。このような複合体を形成する物質をMBAS(メチレンブルー活性物質)といい、この濃度を測ることにより水中の陰イオン系界面活性剤濃度を測定します。通常、水1リットル中に含まれるMBASのミリグラム数(mg/リットル)で示します。

BOD:生物化学的酸素要求量。水中の有機物を微生物が分解するときに必要な酸素量で、水1リットル当たのミリグラム数(mg/リットル)で表されます。値が大きいほど有機物汚れがひどいことを示します。

(注2) BOD: 生物化学的酸素要求量
水中の有機物を微生物が分解するときに必要な酸素量で、水1リットルあたりのミリグラム数(mg/
リットル)で表されます。値が大きいほど有機物汚れがひどいことを示します。

Q2-3

生分解とはどのようなことですか。
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食物残渣や石けんや洗剤の主成分である界面活性剤などの有機物が、河川や湖沼中の微生物により分解されることを「生分解」といいます。
概念的には下図のようになります。

Q2-4

下水処理によって、洗剤は除去されているのですか。

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下水処理での洗剤の除去程度は、一般にMBAS濃度(注1)を指標とします。また、水質汚濁の指標のひとつとしてBOD(注2)がよく使われます。1997年度の全国13の政令指定都市の下水処理場における流入下水、放流水の水質を平均すると下表のような結果になります。この結果が示す洗剤の除去率は、一般有機物の除去率とほぼ同じであり、これによって、下水処理で洗剤は一般有機物と同様に除去されているということができます。


流入下水
(mg/リットル)
放流水
( mg/リットル)
除去率(%)

MBAS

3.37
0.05以下
98以上

BOD

171
6.4
96

Q2-5

下水道のない地域で洗剤を使用しても、河川や湖で自然に分解するのですか。

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現在日本では、家庭用洗剤には自然界で生分解されやすい成分が使われていますので、下水道のない地域でも、河川や湖で微生物によって自然に分解されます。洗剤が使用されはじめてから40年以上経過していますが、下水道のない地域の河川や湖で洗剤の成分が増加しているということはありません。

Q2-6

洗剤は水生生物に影響を及ぼしていますか。

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河川や海などで合成洗剤が水質に影響を与えて、その結果そこに住む水生生物に悪い影響を与えているという報告はありません。LASなどを含む合成洗剤が使用され始めてから30年以上経過していますが、合成洗剤は環境中で微生物によって分解され、魚が生息するような環境での濃度は極めて低く、その生態系に大きな影響を与えていないことが実証されています。

Q2-7

「水槽に石けん水を入れても金魚は死なないが、洗剤液を入れると死ぬのは洗剤の毒性が強いため」という話を聞きましたが本当ですか。

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金魚が死ぬのは、「洗剤の毒性が強い」ためではなく、「洗剤の主成分の界面活性剤は、濃度が高いと金魚のエラに吸着して、水中での酸素呼吸をできなくする」ためです。なお、“石けん”も“界面活性剤”の一種ですが、低濃度ではその一部分が水中のカルシウムなどの金属イオンと反応して水に溶けない(界面活性がない)物質に変わるため、水槽に同じ量の石けんと洗剤を加えていくと、石けんより洗剤の方が金魚に早く影響がでます。

Q2-8

「小松菜やかいわれ大根の種は石けん水を浸した培地では発芽するが、洗剤を浸した培地では発芽しないのは洗剤の毒性のため」という話を聞きましたが本当ですか。

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小松菜やかいわれ大根の種は、生理食塩水、ビール、清涼飲料水などでも、発芽しません。発芽するかどうかと人間に対する毒性とは、関連がありません。また、石けんの方が発芽しやすいのは、Q2-7にもあるように、加えた石けんの一部が水中の金属イオンと反応して、水に溶けない物質に変わるためです。

Q2-9

「ゴキブリに洗剤液をかけると死ぬのは、洗剤の毒性のため」という話を聞きましたが本当ですか。

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ゴキブリなどの昆虫は、ヒトや哺乳類とは違って、体の左右にある気門で呼吸しているからで、この気門がふさがれて呼吸ができなくなるために死にます。毒性のためではありません。ちなみに、食用サラダ油やオリーブ油をかけてもゴキブリは死にます。

Q2-10

河川や湖で界面活性剤が検出されることがあると聞きましたが、分解しないからではないのですか。

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界面活性剤も有機物の一種なので、一般の有機物の分解が遅いような環境では界面活性剤の分解も遅くなります。他の有機物が分解しないで残っているような汚れた河川や湖では界面活性剤も一部検出されることがあります。

Q2-11

洗剤は家庭用合併処理浄化槽への影響はあるのですか。

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一度に多量に流した場合は別ですが、普通に使用しているかぎり、微生物に影響はありません。したがって、家庭用合併処理浄化槽の浄化能力にも悪影響はありません。

Q2-12

日本の洗剤は無リンなのですか。有リン洗剤はどこで使用されていますか。

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現在、市販され一般消費者が入手する洗剤はほとんどが無リン洗剤になっています。
1999年粉末洗濯用洗剤販売比率で、有リン洗剤は2%弱です。これは(1)クリーニング業務用、(2)輸出用、(3)海洋船舶用などの一部の特定用途の洗剤です。
クリーニング業務用の洗剤は、ドロなどの固体汚れの分散作用やアルカリ緩衝作用を高め、低濃度の洗剤溶液で効率的に洗浄を行う目的でリン酸塩が使用されています。市販洗剤ではリン酸塩の代わりに、同じような働きをするアルミノけい酸塩が使用されています。

Q2-13

洗濯用洗剤に使われているアルミノけい酸塩は河川や湖に影響を与えないのですか。

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アルミノけい酸塩は自然界に広く存在する鉱物の一種です。洗剤に使用されるアルミノけい酸塩は、土砂に比べて無視できるような量なので、水質への影響も何ら問題ありません。

Q2-14

廃油石けんはどのようなものですか。また、どのように考えていますか。

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廃食用油をそのまま下水に流すと水質汚濁につながることから、一部の消費者団体や学校で廃油から石けんを作る作業が行われており、このような石けんを「廃油石けん」と呼びます。

しかし、廃油石けんには次のような問題点がありますので、設備の整った工場以外でお作りになることはお勧めできません。
(1) 製造時に劇物である苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などの高アルカリ性成分を使用するため、苛性ソーダを水に溶解する際に液が突沸し目に入ると失明の恐れがあり、皮膚につくと皮膚を激しくおかします。
(2)一定の品質のものが得にくく、過剰又は未反応のアルカリ剤が残留し肌荒れを起こす可能性が高い。
(3) 未反応の油、製造時に入れるご飯・みかんの皮などは、使用後そのまま流れていき水を汚す物質となります。

家庭では、さし油して使用する、炒め物に使用するなどして食用油を使い切る工夫をし、廃油を出さないことが大切です。自治体などで地域回収活動が行われず、やむをえず処分する場合は、ぼろ布や新聞紙などに吸収させるか、廃油処理剤で処理して燃えるゴミとして出し、直接流しに流さないようにしましょう。回収された廃油を自動車用燃料に使用する研究も行われています。



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